作成者: EAbase887/葛西祝

デトロイト不気味の谷と俳優たち

『Detroit: Become Human』は初期の3DCGのビデオゲームやアニメーションに触れてきた世代にとっては、意図的にデザインされた不気味の谷と戯れる体験でもある。

バグやグリッチはプログラムのミスだが制御してデザインに組み込めばクールな表現になったり、ジーンズの破れも制御して組み込めばファッションの表現になるのと一緒だ。そして現代の3DCG キャラクターは、実際の俳優たちの演技の中で制御されている。なので不気味の谷が意味を持つ。いま3DCG の空間の中のキャラクターと俳優は、いったいどんな風にその存在を評価されるのか?

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Depression(抑鬱)はいかにオリジナルを意味しなくなったか

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いつからビデオゲームはDepression(抑うつ)で溢れかえるようになったのか?

最近の新作のインディーゲームでは少なくない頻度でこのテーマの作品が発表されるほか、昨年にはなんと『Hellblade: Senua’s Sacrifice』が発表。これはDepressionとはもっとも遠いジャンルのはずのスラッシュアクションを製作してきたNinja Theoryまでも精神の内部に潜り込むことをテーマにするという、スラッシュアクションからすればある種歴史的なことかもわからない。

サンプリング・リミックス。オマージュ、パロディ。コピー&ペースト。複製や2次創作で溢れかえるのことに際限がなくなるなか、いまさらながらオリジナルとは何なのだろうか。うんざりするほど繰り返された議論だが、いまだに手堅く解釈されるのは作家本人の精神や個人性を反映した作品であることだ。

どんなに複製で溢れかえるなかでも作家本人そのものだけはオリジナル、自分自身をさらけ出すことこそオリジナルというような。しかし、正しくオリジナルであることとはロジカルで、テクニカルな部分は多分にある。自分は作家の粗雑な感情や精神にフォーカスすることをもってオリジナルを定義するのは、瞬間的には面白くとも、賛同しすぎないようにしている。

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2017年にゲームメディアで書いてきた記事ハイライト

 

今年はメディアでかなり書いていたので自己紹介などで大きく「GAME SCOPE SIZE」を喧伝しているわりに本体のここがあんまり更新できてないのでどういう自己プロデュースだって感じになってるので、2018年は充実させていきます!と前置きしつつ、2017年にさまざまなメディアで書いた記事のハイライトです。

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巨神獣とイヴァリースのヘイトコントロール・ゼノブレイドとff12のキャラ立たせ方

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現在のMMOメカニクスのシングルプレイRPGでは、ヘイトコントロールがキャラを立たせていたのかもねという小話です。

2017年はリマスター&ゲームデザインの調整、BGMの再録が行われた『ファイナルファンタジー12 ゾディアックエイジ』とモノリスソフトによる『ゼノブレイド2』が揃ってリリース。いわば2006年以降の日本のシングルプレイRPGにMMORPGのゲームメカニクスが入り込んでからの10年というちょっとした総括みたいなところがある。今年この2つを遊びつつ、そういえば未知であった「ヘイト」の概念を、今ではMMORPGから遠いゲーマーでも比較的理解されているよねと思ったのだった。

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“PCとの対話”から振り返るドラクエとFFの差

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長らくコンソール中心で遊んできた身なのでPCゲームに移るのはだいぶ遅かった。ちょうど国内でのコンソールでのゲームデザインが煮詰まってきたのを感じていたのもあって、移った当初は正直かなりの解放感があったのを覚えている。

そんなふうにPCで海外の様々なビデオゲームを遊んだ中で、最もコンソールとは異なると感じた点が一つある。非常にシンプルだ。こんなことは今更かもしれないけれど、PCとの対話である。あらためてPCとの対話という観点から振り返るとビデオゲームのストーリーテリングへの解釈がずいぶん様変わりすることに気付く。

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国道140号線DRIVING SIMULATOR

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かなり前にちょっとした休みが取れた時に昔からの友人と埼玉県の秩父にある三峰神社に車で行った。国道140号線に入り、しばらく運転していくと本当に景色が山と木々というとてもシンプルなものになっていくのもあって、いろいろ会話をする。話題が途切れればみんな静かに窓の外の風景を眺めていたりする。

ドライブの最中というのは後になって思い出せないような本当にしょうもない話しかしない。よく考えるとドラマや映画なんかでやけに重要な話をするシークエンスにどこかしらの車中でなんてありふれているけど現実にはあまりないわけで、考えてみればタランティーノの映画がとくに伏線にも繋がらないような無意味な会話をあえて入れるというのは映画ではびっくりすることなんだけど、現実では毎日あたりまえに出くわしている。

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初代聖剣伝説「マナの神殿」は誰もリメイクできない

Nintendo Switchで『聖剣伝説コレクション』がリリースされたのもあり、ひさしぶりに聖剣伝説シリーズ関連の音楽を聴いている。

スクウェアのピクセルアート技術が乗っていたFC-SFC時代。聖剣伝説シリーズの全盛期と言える3作目まではウェットな物語に感情移入を促すような作り方を特色にしていた。しかしあらためてゲームボーイの初代聖剣伝説のBGMを聴いていると、ひとつだけ異色の楽曲が存在する ことがわかる。最後の場所であるマナの神殿の音楽だ。

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